中学生の個別指導塾を探し始めると、まず比較するのは月謝、週の回数、通いやすさ、教室の雰囲気、先生との相性。どれも大事です。ただ、家で子供が本当に困っている場面を思い出すと、比較の中心はそこではないはずです。机には向かっている。ワークも開いている。なのに進まない。少しやって終わる。テスト前になると慌てる。もしくは、何も進まない。だらだらしている。親が見ていてつらいのは、この時間です。
ここで起きやすい誤りは、「個別指導なら、どこでもある程度は見てもらえるだろう」というものです。だから比較は、金額などの条件の良い順になりやすい。ですが、中学生の個別指導は中身の差がかなり大きいです。隣に先生がついて教える塾もあります。質問に答える塾もあります。今の学力を見て、どこから戻し、何を先にやるかまで決める塾もあります。同じ個別指導でも、家庭で困っていることに届く塾と届かない塾があります。
予習ばかり進める塾や、テキストを先へ進めること自体が目的になっている塾には要注意です。親から見ると、ページが進むと安心します。学校より先をやっていると、何となく良さそうに見えます。ですが、前の単元が曖昧なまま進めば、塾では進んでいても、家では解けない。テストになると点にならない。このずれが起きます。見た目の進度と、実際の定着は別です。
中学生の勉強で先に必要なのは、量ではありません。順番です。今その子がどこで崩れているのかを見ること。そこを埋めること。今はやらなくていい範囲を切ること。この三つがないまま予習だけを続けると、「通っているのに苦しい」が続きます。親が本当に探しているのは、個別という形式ではなく、「この子に合う進め方を決めてくれる場所」です。
だから比較の場で見るべきなのは、「どんどん進めます」という説明ではありません。「この子は今、どの教科の何から直すべきか」「なぜそこを先にやるのか」「家では何をどこまでやるのか」に具体で答えられるかです。逆に、「まずは様子を見ましょう」「全体的に基礎からですね」「先取りで自信をつけましょう」で止まるなら、まだ浅いです。中学生には、全部をやる塾より、選んで切れる塾の方が合うことがあります。
比較を外すと、あとで響きます。四月に通い始めても、六月の定期テストで前学年の穴がそのまま出ます。夏休みに講習を増やしても、何を削り、何を先にやるかが決まっていなければ、時間の割に点に変わりません。秋の実力テストや模試で差が開くころには、立て直しの自由度はかなり下がっています。だから塾選びで先に見るべきなのは、料金表ではなく、選択と集中ができる塾かどうかです。








