塾を探していると、「うちの子は人前で質問しにくいし、個別の方がいいかな」と考えることがあります。これは自然なことです。実際、個別指導が合う子はいます。わからないところをその場で聞きたい子や、学校より少しゆっくり進めたい子には合いやすいです。ただそこで「個別なら大丈夫そう」と決めてしまうと、少し外してしまうことがあります。
個別指導でも、変わりやすいこととそうでないことがあります。授業の中でわからないところを聞くことや、計算のやり方を直すこと、英語の文法を整理すること。こうしたことは、個別塾で比較的整えやすいです。ですが、家に帰ると毎回何をやるか迷う、テスト前になるまで動けない、どこがわからないのか本人もうまく言えない。こうした困り方は、「個別だからそのうち何とかなる」と考えて入っても、思ったほど変わらないことがあります。
ここでチェックして欲しいのは、個別か集団かという形だけではありません。今のお子さんの困り方に、その塾が実際に手を入れられるかどうかです。ここが合っていれば、個別指導にも意味があります。ここがずれていると、個別でも思うようには変わりません。形式だけで決めるとミスマッチになってしまうのは、そのためです。
英語の文法の抜けを復習する、数学の計算を安定させる、テスト前に何を先にやるかを整理する。こうしたことまで具体的に見えている塾なら、話は合っています。逆に、「個別なのでその子に合わせて見られます」「何でも相談してください」といった答えだけでは、まだ判断しにくいです。安心できそうには聞こえますが、何をどう変えるのかが見えてこないからです。
それらを踏まえて相談すると、個別が合うかどうかだけでなく、今の困り方が塾で変えやすいものなのか、それとも家庭での見方や進め方まで含めて見直した方がいいのかも見えてきます。
塾はただ教える場所ではありません。どこから直すと変わりやすいかを考える場所でもあります。
見学・相談で聞いてほしいことは一つです。「この子の今の困り方なら、ここでは何が変わりますか」と聞いてみてください。ここへの答えが具体的なら、その塾とは話が合っています。逆に「個別なら安心そう」という印象だけで決めてしまうのは危ういです。塾選びは形式で決めるものではありません。今困っていることに、その塾がきちんと対応できるかどうかで決まります。

