2026年度前半、気になった教育ニュース9選

今年度前半に公表された調査や記事から、気になった教育ニュースを集めました。
「家庭向け」「学習」「子どもの変化と支援」の三つのテーマに分けて、三本ずつ紹介します。
家庭向けで気になったニュース
タブレットを使うと、深く考えることが減る?
2026年4月、東京大学とベネッセによる調査結果が紹介されました。紙での学習と比べて、「内容が分かりやすい」「学習が速く進む」と感じる子が6~7割いる一方、「深く考えて問題を解くことが減った」と答えた割合は、中学生52.1%、高校生54.7%でした。2023年より増えています。
これは、タブレットによって思考力が低下したことを証明する調査ではありません。ただ、使っている本人の半数以上が「深く考えなくなった」と感じている。その感覚には、身に覚えがあります。東京大学・ベネッセ共同調査
宿題に生成AI。もう半数近くが使っている
2026年7月、明光義塾が小学5年生から高校3年生までの保護者1000人を対象に行った調査では、48.6%が「子どもが勉強や宿題で生成AIを使っている」と回答しました。
内訳は「ほぼ毎日」が12.0%、「週に数回」が22.8%、「月に数回」が13.8%。保護者が把握している範囲だけでも、3人に1人ほどは週に数回以上使っています。明光義塾調べ
またAI活用講座、やりましょうか……? 去年の高3生は、AIを考えの整理に使いながら、志望理由書をかなり良く仕上げていました。もちろん、文句なく合格でした。
高校生の半数以上が、本を読まない
2026年6月に発表された現役高校生283人への調査では、「読書をしない」が54.8%でした。読書をする高校生についても、最も多かった頻度は「3か月に1冊」です。読まない理由には、スマホ、SNS、動画、忙しさなどが挙がりました。
さらに、全国の高校生4238人を対象にした2025年の学校読書調査でも、5月に本を1冊も読まなかった高校生は55.7%でした。調査方法は違いますが、どちらも「高校生の半数以上が本を読まない」という結果です。2026年高校生調査 学校読書調査
よーし。読んでくれ高校生! 月に1冊読めば、読書量ではもう上位半分だ! いくらでも紹介します!
学習について気になったニュース
中学生の宿題時間が、約50分から30分台へ
東京大学とベネッセの共同調査では、中学生が学校の宿題にかける時間は、2021年まで1日約50分だったものが、2025年には30分台まで減少していました。
記事では、教員の働き方改革が進む中、宿題の準備や確認にかかる負担をどう減らすか、学校が試行錯誤していることも背景として挙げられています。宿題が減った分を子どもが自主学習に回していればよいのですが、次の調査結果を見ると、そうでもないようです。ベネッセ教育総合研究所
中高生の4~5割は、宿題以外の勉強をしない
同じ調査では、学校の宿題以外の勉強をまったくしない「家庭学習0分層」が、この11年間で10ポイント前後増え、どの年代でも4~5割になりました。
この層は、成績下位層や家庭の社会経済的条件が低い層ほど多く、「何のために勉強するのか分からない」「自分に合った勉強方法を工夫しない」という回答とも関連していました。宿題が減っただけでなく、自分で何かを選んで勉強する時間も減っています。
塾で補ってあげたいところです。何をどう補うか、考えていきます……。東京大学・ベネッセ共同調査
AIが広がっても、保護者の8割は「人による指導が必要」
先ほど紹介した明光義塾の調査では、生成AIや無料の学習コンテンツが普及しても、子どもの学習には人による指導が「必要」「ある程度必要」と答えた保護者が82.2%でした。
学校や塾に期待することの1位も、「自分で考える力・主体的に学ぶ姿勢の育成」です。答えや解説を手に入れるだけならAIでもできます。それでも、その子が本当に理解しているか、勉強をどう進めているかまで見てほしいという期待は、むしろ残っているようです。
そりゃそうですよね。答えや解説が出てくることと、その子が分かることは別です。明光義塾調べ
子どもの変化と支援について気になったニュース
「自分に合う勉強方法」を工夫する子が減っている
東京大学とベネッセの共同調査では、「自分に合った勉強のやり方を工夫する」と答えた小中学生が減少していました。同時に、「何のために勉強しているのか分からない」と答える子は、小中高のすべてで増えています。
勉強時間が減っているだけではなく、自分で方法を考え、うまくいかなければ変えてみる。その経験自体が減っている可能性があります。
コスパではなく、じっくり「量を質に変換」していきましょう。東京大学・ベネッセ共同調査
保護者は学校任せにしていない。それでも先生は警戒している
2026年4月、小学校入学前後の教師、保育者、保護者を対象とした調査が発表されました。教師の57.5%は、「保護者は子どもの学習のつまずきを学校のせいだと考えているのではないか」と推測していました。
ところが、実際に「学習面は学校任せでよい」と答えた保護者は、549人中4人、わずか0.7%でした。保護者の多くは、情緒面の支え、しつけ、学習習慣などを家庭の役割だと考えています。対立しているというより、話す機会が少ないために、互いの考えが見えなくなっているようです。
学校は教科を教えるだけでなく、集団の中で話を聞き、折り合いをつけながら学ぶ力も育てています。ただ、その集団を整えること自体が、以前より難しくなっているようにも見えます。小学館三媒体合同調査
不登校の4割近くが、専門的な相談先につながっていない
文部科学省の最新調査では、小中学校の不登校児童生徒は35万3970人。そのうち13万5724人、38.3%が、教育支援センター、スクールカウンセラー、医療・福祉機関、民間施設などによる専門的な相談や指導を受けていませんでした。
ただし、この38.3%全員が誰からも支援を受けていないわけではありません。そのうち12万759人は、教職員から週1回程度以上の継続的な相談や指導を受けています。専門的な支援につながらないまま、学校の先生が支えている子が多い、と見る方が正確です。文部科学省調査
学校だけで抱え込まず、フリースクールも選択肢に入れてほしいと思っています。
三つのテーマから見えてくること
タブレットや生成AIによって、分からないことを調べたり、答えや解説を手に入れたりすることは、以前よりずっと簡単になりました。
ところが、深く考えることが減ったと感じる中高生は半数を超え、宿題以外の勉強をしない子も4~5割。高校生の半数以上は、本を読んでいません。便利な道具が増えたことと、自分で学べるようになることは、同じではないようです。
学校の宿題も減っています。学校によっては、ほとんどなくなっています。その時間を自分に必要な勉強へ回せる子にはよい変化ですが、そのままスマホや動画の時間になる子もいるでしょう。実際に、宿題以外の家庭学習時間について、成績上位層と中・下位層との間で差が広がっています。
逆に考えれば、毎週少しずつ勉強する。本を月に1冊読む。生成AIに答えを出させる前に、自分で一度考える。それだけでも、以前より差をつけやすくなっています。本当に、これをチャンスと見て取り組んでほしいです。
そして、自分に合う勉強方法や勉強する目的を見失ったとき、誰かに相談できるかどうかも大きいでしょう。便利な道具が増えたからこそ、子どもの様子を見て、話を聞き、必要な支援につなぐ人の役割は小さくなっていません。
fabstudyではどう考えているか、何をしているか
fabstudyでも、AI教材を使っています。便利さも効果も分かっていますが、画面を進めれば勉強が終わるとは考えていません。学校ワークや紙の問題も使い、途中式を書かせ、どう考えたのかを確認します。
生成AIについても、使わないよう禁止するだけでは間に合わないでしょう。答えを作らせるのか、考えを整理するために使うのか、間違いをどう確かめるのか。去年に続いて、AI活用講座も考えています。
また、教えて終わりではなく、何をどの順番で勉強するか、どこで手が止まるか、自分に合う方法を選べているかまで見ています。家庭で勉強できないなら、塾で終わらせる時間をつくります。
家でできないのは当たり前なんです。だからスタバが混んでいるんです。
点数だけでなく、学校や進路への違和感にも気をつけています。順調に見えていた子が、進学後に急に「大学を辞めたい」と言い出すこともあります。話が出たときに一緒に考えることも、私たちの仕事です。
不登校についても、専門的な相談先につながっていない子がまだ多くいます。お近くに「どこへ相談したらよいか分からない」という方がいたら、fabstudy calmをご紹介ください。利用するかどうかを決める前の、ちょっとした相談でも大丈夫です。

